つれづれの窓から

日々かんがえたこと

すきなモノ草子 その1

午後3時、4時頃の黄色みを帯びたやさしい光。

夢にいるような、思い出にいるような朧げな記憶を呼び起こす。

何気ない日々の重なりがジップロックを開けたようにそのままの鮮度で襲ってくる。

 

学生時代の最寄り駅。

歩道橋を渡っているとき。

そこに野良猫がいなかったらきっと泣いていた。

掃除と頭の中

コンロの汚れをシートでぐりぐり拭き取る。

力を入れてきれいにすることだけを考える。

 

目標がそこそこ達成されるころには

気分もすっきりしていた。

 

そのまま散歩に出ると、足取りも軽くなっている。

 

今まで自分を気だるくさせていたのは

一度にあれこれいろんなことを考えていたからかな。

 

汚れを落とす。

その1つのことに集中して

手を動かせたから軽やかなきもちがやってきたのだろう。

 

頭を使いすぎたら

1つの目的のために身体を動かしてみるのが私にとって良さそうだ。

 

だから、仕事に追われているときに山に登ると心地よいのだろうか。

春のさみしさ

最近、建物が知らない間に更地になっていることが多い。

暖かくなり、工事がしやすくなったからだろうか。

 

歩いているときに

ふっと存在感がない気がして振り向くと、

冬にはあった建物がなくなっている。

 

もとから何も建っていなかったように

地面の上の建物だけ消えている。

 

建物をまるごと吸い込んでしまったかのような袋が

地面の真ん中にぽつりと置かれていた。

腹筋と自転車は実は近い

いきなりペダルがふっと軽くなるように

腹筋するとき、上半身をいつもより上げられるようになっていた。

 

自転車にはじめて乗れた日のことを思い出す。

 

どんなに練習してもなかなか乗れなかったのに、

突然、ふっとバランスを保てるようになったスーパーの駐車場。

 

あの感覚。

 

わずかな幅の車輪の上でも身体を安定して乗れるようになったあの日。

 

いきなり身体の機能性が拡張されたような。

 

突然に驚きながら、これからのことを考えている。

雨がもう、夏のようだよ

「雨がもう、夏のようだよ」

 

朝、パートナーに言われて窓から天気を観察してみる。

普段どおりのくもり。

夏といえば夏か……となんとなく思って

密かに夏を感じようと試みた。

 

朝のことがおぼろげになった頃、

部屋の中で運動をしていたら意味がわかった。

 

空気の湿度がジトッとして身体が蒸される感覚。

まだ4月なのにもう春ではないんだなと季節が駆けていくのにドキリとした。

 

風が吹いても、もう寒くない。

湿度をまとった空気が肌をなでていく。

 

夏は湿度から感じることもあるらしい。

 

 

 

 

 

 

書くことが嫌いなのではないとわかってよかった。

好きなことを仕事にしているのにしんどかった。

毎日文章を書けて、やりたいことが叶っていた。

 

でも、嬉しかった期間は意外と短く、

少しすると四六時中書き続けることがなぜか辛かった。

 

考えてみても、明確な理由はみつからなかった。

理由がわからないからこそ、自分は書くことに向いていないのだと思った。

 

そのような中、ひらいめぐみさんの本『転職ばっかりうまくなる』に出会い、

それは考える時間が自分になかったからだと気づけた。

 

ほんの一節でしんどさの理由が腹に落ちた。

 

会社員としてライターをしていた頃は、とにかく考える時間、文章を書かない時間が欲しくてたまらなかった。毎日なにかしらを書いていると、どんどん自分の文章がうすっぺらくなっていくような感覚になる。文章と、考える時間はセットなのだとわかってから、フリーでは必ず文章以外の仕事をしようと決めていた。

ひらいめぐみ著『転職ばっかりうまくなる』

 

日々アウトプットに追われて、書けている実感がなかった。

残業が続きプライベートの時間はなかった。

 

今振り返ると、考える時間が圧倒的に不足していたのだ。

 

結局、書くことは嫌いになりきれず、

こうして今日も書いているのだから大丈夫だと自分に言い聞かせている。