布団の中で踵の上が染みると思ったら、小さな傷ができていた。
浅い擦り傷だったのですぐに治るだろうと
消毒だけして日々のあれこれに向かっていた。
数日経ち、急いで靴を履いた時にまた擦れて傷ができてしまった。
結構痛い。君は靴擦れだったのか。
新しい靴ではなかったので靴擦れだとは考えもしていなかった。
擦れると再びやってくる痛みを恐れて出先でよたよたと歩いた。
道で知らないおばあさんに尋ねごとをされた。
あれこれと言い訳をせず、まっすぐに尋ねて
「ごめんなさいね」と軽やかに去っていった。
あのように年をとりたいと思った。
帰宅して急いで手当て。
自分をぞんざいに扱っていたなと気付きながら絆創膏を貼る。
少しせかせかした気持ちが落ち着いたように思えた。