つれづれの窓から

日々かんがえたこと

曇りの光

部屋の電気を消し、こたつから窓を眺めると

鈍い白色の光が輝いていた。

曇りの日もうつくしい。

 

電気の明るさに紛れ、見つけられずにいたけど

既にうつくしい光は差していたんだな。

 

朝、カーテンから朝焼けが見えなくても

しょんぼりする必要はないのかもしれない。

 

好きなドラマのセリフを思い出した。

 

でもどうして曇ってると天気悪いって言うんですかね。

いいも悪いも、曇りは曇りですよね。

 ー『カルテット』第1話

 

 

薄氷とホットケーキ

雪はかたまりや固体って感じだけど、氷はどうしたって面だと感じる。

例えば、路面に広がる薄氷。

冷凍庫にあるブロック状の氷もかたまりではありつつ、面の印象が強い。

直線的だからかな。

 

あれこれ考えながら歩いていると、温かくて香ばしい香りが漂ってきた。

思わず振り返ると、やっぱりパン屋さん。

 

今日は家にあったホットケーキを焼いて食べることにした。

自分の顔を見比べて

顔つきってこんなに変わるんだ。

自分の変化に驚き、数秒の間じっと見つめていた。

 

 

しばらく前、ほんのり湿っぽい引き出しの中から

久しぶりにパスポートを取り出した。

 

期限はばっちり切れていた。

パスポートセンターにいかなきゃな~と

手続きのことを頭は考えて始めていた矢先、

目は異常をキャッチした。

 

これって私の顔……?

 

なんだか野心に満ち溢れ、ギラギラとした瞳。

不敵に上がっている口角。

怖いものなど何もないのだろう。

どんな困難にも果敢に立ち向かっていきそうで心配になる。

 

なんでもかんでも正面から戦って傷つかなくてもいいんだよ!

思わず心の声をかけそうになったが、

やはりギラリと笑みを浮かべているのは、昔の私だった。

 

社会での挫折をほとんど知らなかったころ。

何者かになりたくて、必死にバタバタともがいていた。

自分の力量もわからないまま、背伸びばかりした。

 

そのころの自分が鮮明に形として写しとられていて

だんだんと驚きの上に恥ずかしさも加わってきた。

 

 

更新した新しいパスポートを受け取った後、

ドキドキしながら見比べてみた。

過去と現在の表情を並べる。初めてで新鮮だ。

 

普段、鏡に映る自分の顔に客観的な感想をもつことは少ないが、

こうして見ると明確だ。

 

目はぼんやりと現状を受け入れ、

口はきもち、やや笑っている。

 

ギラギラがとれて無害そうな顔をしている。

 

ここまで変わるんだな。

月日の流れと社会の荒波は、私を確実に丸くした。